2014年7月9日水曜日

事故









1999年 9月30日、茨城県東海村の核燃料加工工場(JCO)で、誰も予想しなかった事故が起こった。工場にあったひとつの容器の中で、核分裂の連鎖反応が突然始まったのであった。
放射線の被曝量は、物体が吸収したエネルギー量で測り、単位には『グレイ』を使う。
物体1キログラム当たり1ジュール(0・24カロリー)のエネルギーを吸収した時の
被曝量が、1グレイである。人体の組成はほぼ水なので、1グレイの被曝を受けたときに人体が吸収するエネルギーは、人間の体温を約1万分の2度しか上昇させない。
従来の医学的な知見によると、
およそ4グレイの被曝を受けると半数の人が死に
8グレイの被曝をすれば生存はほぼ絶望的と考えられてきた。

JCO事故で大量の被曝をした3人の労働者たちの被曝量は、高いほうから
18グレイ、10グレイ、3グレイ当量と評価された。



被曝の治療といっても実質的にできるのは、感染の予防と、水分や栄養の補給くらいのことしかできない・・・。

彼らは造血組織を破壊され、全身に火傷を負い、皮膚の再生能力を奪われていた。
そして、大量の鎮痛剤を投与され、毎日10リットルを超える輸血や輸液を受けながら
苦しい闘病生活を送った末に死に至ったのであった。


JCO事故ではおよそ20時間にわたって核分裂の連鎖反応が続いたが、核分裂したウランの総量は約1ミリグラム。発生した全エネルギーは、灯油2リットル分に過ぎない。
家庭の石油ストーブで2リットルの灯油を丸一日かけて燃やす状態を想像してみれば、それがいかにささやかなエネルギー発生量であるか理解できよう。ストーブの近くにいたとしても、暖をとるにも充分でないほどのエネルギーであるにもかかわらず、2人の作業員が被爆死し、事故現場から500メートルも離れたところにいた人々までが法定の許容限度を超えて被曝したのである。 それが放射線・・・。

たった1ミリグラム・・・




















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